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「木を使おう」と「木を使うな」、どちらが正しいのか

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「木を使おう」と「木を使うな」、どちらが正しいのか

「木を使おう」と「木を使うな」、どちらが正しいのか

2026/08/26

環境問題が語られるとき、「木を使おう」という主張と「木を使うな」という主張が、同時に聞こえてくることに違和感を持ったことはないだろうか。再生可能エネルギーやカーボンニュートラルの文脈では、木質バイオマスの活用が推奨される。一方で、森林破壊や生態系の保全という文脈では、木を伐ることそのものが悪であるかのように語られる。木は、使うべきなのか、使わないべきなのか。この一見矛盾した二つの主張の正体を、木の歴史をたどりながら考えてみたい。

木はどう使われてきたか

人類はその歴史のはじめから、木を使ってきた。住居や橋を支える建材として、船や馬車、農具といった道具として、紙の原料として、そして家具や食器のような生活用品として。加工のしやすさと強度、そして手に入りやすさから、人々はあらゆる時代・地域で木を暮らしの土台としてきた。中でも燃料としての利用は特に古く、火を扱うようになった人類にとって木はもっとも身近で確実に手に入る燃料でもあった。調理や暖房はもちろん、製鉄や陶器づくりの熱源としても木材は欠かせず、ローマ時代の公衆浴場も中世の製鉄も、大量の木炭なしには成り立たなかったと言われている。これほど多くの姿に変わりながら、木を使うことは、人が生きていくための当然の営みだった。

熱帯林で起きている問題

しかし、その「当然の営み」にも限度がある。木は再生可能な資源だが、伐採のペースが森の再生スピードを上回れば、話は別だ。この「使いすぎ」は歴史上の出来事ではなく、今まさに世界各地で進行している。世界の森林面積はこの30年で年平均数百万ヘクタール規模のペースで減少しており、その多くが東南アジアやアフリカ、南米の熱帯林に集中している。農地拡大のための伐採に加え、燃料用木材の過剰採取や違法伐採が要因となり、森は元に戻る間もなく失われ続けているのだ。木を使うなという主張の根には、こうした現在進行形の「使いすぎ」がある。

では日本は?

では、日本はどうだろうか。日本の森林率はおよそ7割にのぼり、世界でも有数の森林大国である。しかし、その内実は熱帯林とは正反対の問題を抱えている。戦後の拡大造林政策で植えられたスギやヒノキなどの人工林は、本来であれば数十年かけて計画的に間伐・伐採し、木材として活用されるはずだった。ところが安価な輸入材に押されて国産材の採算が悪化し、林業の担い手も減り続けたことで、多くの人工林が手入れされないまま放置されている。手入れのされない森は日光が入らず下草が育たず、土壌が痩せ、災害時の土砂崩れのリスクも高まるとされる。下草や多様な植生が失われれば、そこに依存する昆虫や鳥、動物も棲みづらくなり、森全体の生態系のバランスも崩れていく。「使わなすぎる」こともまた、森にとって健全とは言えない。木を使おうという主張は、こうした国内の現状を背景にしている。

「どう使うか」という視点

つまり、二つの主張は矛盾しているのではなく、それぞれ別の失敗から生まれた教訓なのだ。熱帯林の破壊は「使いすぎ」への警鐘であり、日本の放置林は「使わなすぎ」への警鐘である。どちらも根っこにあるのは、木と人との関わり方のバランスが崩れているという同じ問題だ。問われるべきは「使うか使わないか」という二択ではなく、「どう使うか」である。伐った分だけ植え、育て、また使うという循環が保たれていれば、木は枯渇しない再生可能な資源であり続けられる。逆に言えば、循環を無視した使い方であれば、たとえ善意からであっても森を傷めることになりかねない。

木を使う、様々な選択肢

循環を保ちながら木を使う方法は、ひとつではない。認証された木材を選んで使うこと、家具や建材を長く使い続けること、端材をチップや堆肥に再利用することなど、選択肢は幅広い。その中で私たちRamaPokkeが木質ペレットという燃料に注目しているのは、この「循環する使い方」を身近な暮らしの中で実践できる方法のひとつだからだ。木質ペレットは、間伐材や製材時に出る端材など、これまで使われずに捨てられていた木材を原料としている。放置林の整備を進める過程で出た木材を無駄にせず燃料として活かすことは、日本が抱える「使わなすぎる森」の問題に対する、ひとつの現実的な答えになり得る。しかも薪や炭と違い、ペレットは形状や含水率が均一に管理されているため燃焼効率が高く、灰の量も少ない。数ある「木の使い方」の中でも、森林整備と結びつきながら、無駄なく、燃やしすぎない量を燃やせる。木質ペレットは、そうしたちょうどよい「使い方」のひとつの形と言える。

まとめ

使いすぎれば森が失われ、使わなすぎれば森が荒れる。木を使うべきか使わないべきかという問いに、単純な答えはない。大切なのは、使う量と再生する量のバランスを取り続けることだ。木質ペレットのような循環型の使い方は、そのひとつの実践例であり、「木を使う」という古くからの営みを、現代の暮らしの中で持続可能な形に更新する試みでもある。この矛盾を橋渡しする「木の使い道」を、私たちはこれからも探していきたい。

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